造精機能障害
男性不妊症の最も多い原因は、造精機能障害と言われています。
造精機能障害とは、精巣で精子を作る働きに問題があり、精子の数が少ない、または全く作られないなどの原因から、性行為によって女性の膣内に射精をしても、受精には至らず、妊娠の妨げとなる疾患の事です。
造精機能障害は、精子無力症、精子奇形症、精子減少症、乏精子症、無精子症の5つに区分されています。
精子無力症は、射出した精液に含まれている精子の運動率が低く、卵子を目指してまっすぐに泳ぐ精子の割合が少ない状態を言います。
精子奇形症は、射出した精液に奇形の精子を含む割合が多い状態を言います。
造精機能が正常な男性の精液にも、奇形精子は含まれており、禁欲期間が長くなる程に奇形率が高くなると言われています。
そのため、健康状態によってもばらつきが大きく、検査は複数回行う事が好ましいとされています。
精子減少症は、1回の射精量が0.5ml以下、または精液1ml中に精子が4,000万個未満の状態を言います。
乏精子症は、精液濃度がさらに低く、精液1ml中に精子が2,000万個未満の状態を言います。
造精機能が正常な男性の精液には、1ml中に精子が5,000万~1億個存在していると言われていますので、それに比べると受精する確率は低くなりますが、妊娠に至る事は可能です。
無精子症は、射出した精液に精子が全く存在していない状態を言い、閉塞性無精子症と非閉塞性無精子症に区分されています。